ユーピーアールUPR(7065)
時価総額:229億円
事業内容:物流、製造現場向け箱型荷台(パレット)等をレンタル・販売。IT事業も。東南アジアに拠点網
現在の株価の位置
1月の高値から60%の下落。
その後半分くらいまで戻してボックスを形成しています。
4月中旬の決算前に急騰してきて決算後どうなるかと思って見ていましたが、2日上がって現在は15%のボックス圏内でもみ合っています。
市場環境
輸送用パレット
輸送用パレット市場に追い風が吹いています。
国土交通省の「総合物流施策推進プログラム」に、直ちに取り組む施策としてパレット活用が明記されています。
その背景として、物流業界ではトラック運転手の高齢化が進行しており、2028年までに約28万人のドライバーが不足するといわれており、運転手の負担軽減のためにパレット輸送のニーズが高まっています。
UPR決算説明資料より抜粋
レンタルパレット
国内で流通しているパレット数は約5億枚でこのうち 9割以上が企業保有の自社パレットです。
一方でレンタルパレットの枚数は約2200万枚、比率にして約4%強にとどまっています。
こうして見るとレンタルパレット市場の拡大余地は十分にありそうです。
同業他社比較
UPR(7065)
時価総額:229億円
営業利益:7.5億円
営業利益倍率:30倍
日本パレットプール(4690)
時価総額:35億円
営業利益:2.5億円
営業利益倍率:14倍
2社はともにレンタルパレットをメイン事業としています。
拠点の数はUPRの187か所に対して日本パレットプールは200か所、パレットの保有枚数はUPRの424万枚に対して日本パレットプールは340万枚と規模感はほぼ同じです。
にもかかわらず営業利益倍率が倍以上違う要因について、以下の4点(UPRの特徴)であると考えました。
①荷作業を楽にするアシストスーツ(全体の10%以下の利益)
②多種多様なパレットを保有することで幅広い業種に貸し出しを行っている
③海外事業の展開を目指す
④IRの積極性
ただこれらの要素が3年後の利益にどれほど貢献するのだろうかと考えたときに、そこまで大きくはないのかなと感じました。
よってUPRの営業利益倍率は、日本パレットプールとの間をとった22倍と想定します。
リスク
・木製・プラスチック製パレットや金属製の物流機器など多品種の物流機器を定期的に購入しているため、原油価格や原材料価格の高騰が続く局面では仕入価格の増加
・パレット等物流機器レンタル業全般で1日当たりのレンタル料金の競争激化
目標時価総額
UPRのレンタルパレットに競合との明確な優位性があるとは思えず、価格競争力は高くないと感じました。
市場環境の追い風で毎年利益15%増くらいはあるのかなと思いますが、後の上振れ余地はアシストスーツ、「パレットをレンタルする」という需要の急拡大、海外展開の成功、などでしょうか。
約15億円(3年後の営業利益予想)×22倍=330億円(目標時価総額)