2981 ランディックス
時価総額:69億円
業 種:不動産
特 色:東京城南6区の不動産売買・仲介がメイン。
現在の株価の位置
2019年12月に上場したばかりなのでその直後の激しい動きは無視して、1月中旬ごろの高値を基準とすると62%の下落。
その後、決算で一時下がるもすぐにローチートでブレイクアウトしました。
ただ上で持っている人が多いため、その付近でやれやれ売りが多く出そうな気がします。
儲けのキモはどこか
不動産をIT化することによって、顧客視点と会社視点の2つの面で効率化を図れます。
顧客視点では、通常であれば土地探しから業者選定、プラン決定までは数ヶ月を要するものを1週間程度でできます。
会社視点では、富裕層のデータを蓄積することで、今の富裕層はこの土地であればこれくらいの値段で買ってくれるといったような城南エリアのマーケット相場を素早く判断でき、その結果仕入れがスムーズに行えます。
また、データを活用して富裕層の潜在顧客に対するマーケティング及び適切なタイミングのアプローチを行うことで販売効率を上げられます。
以上のようなITを活用して顧客視点、会社視点での効率化を図ることで、不動産の仕入れから販売までを高サイクルで回すことができる点が、儲けのキモであると考えます。
競合他社も今後はIT化するのでは
「ITを活用して効率化を図る」こと自体は目新しいことではありません。
どこかイケイケのIT企業が新規参入すれば、ランディックスに優位性はなくなりそうなものです。
ただし、現状、不動産業でITを駆使している会社はほとんどマンションを手掛けています。
理由は、マンションは階数や向き、眺望で価格が決まるため、AIがデータを集めて価格査定しやすいためです。(同業他社のGA technologiesがそれです)
それに対して戸建て用の土地は、同じ場所に土地が二つ並んでいても、間口の広さや形によって価格が全く違うためデータが取りにくいようです。
そのため、リアルのビジネスで培ってきたデータの蓄積と新たに集めたデータを組み合わせて使うことで、ITを活用し難い戸建て不動産でも効率化を図れています。
リスク要因
一番は、景気動向、金利水準といったマクロ要因により、業績が変動することです。
それは営業利益倍率が低くなりやすい一番の要因でしょう。
また、メインターゲットにしている城南エリアは人気も高く競合が多い点も気になります。
同業他社
意識している会社をIRに伺ったところ、以下の2社が挙げられました。
3288 オープンハウス
時価総額:3,319億円
営業利益:620億円
営業利益倍率:5倍
3491 GA technologies
時価総額:315億円
営業利益:18億円
営業利益倍率:17倍
(参考)
2981 ランディックス
時価総額:69億円
営業利益:10億円
営業利益倍率:7倍
オープンハウスは不動産を仕入れてそれの建築請負まで行う会社で、一連のビジネスの流れや戸建てを多く扱っている点がランディックスと似ています。
GA technologiesはAIを活用したマンションの売買・仲介をメインに行っており、ITを活用した業務効率化に関してランディックスと似ています。
一方でランディックスは戸建てをメインに扱う不動産業でいわゆる市況株に当たるため、営業利益倍率が低くなりやすいです。
そうするとランディックスの営業利益倍率は5倍前後か、流動性を考慮するともう少し低い倍率が妥当であると思いますが、ITによる効率化を図っており、それが不動産業界では珍しいポジションにいるため、GA technologiesのような評価をうけてもいいのではないかとも思います。
よって、営業利益倍率はオープンハウスとGA technologiesの中間に位置する11倍であると判断しました。
まとめ
普段は情報通信、小売、サービスをメインに見ており、それ以外の業種は全てスルーしています。
ただ個人的な話ですが、最近は賃貸を辞めてマンション購入欲求が高まってきていることもあり、不動産株も少し見るようになりました。
その中で、3か月間の新高値を抜けて、コロナの影響も受けておらず、そのうえで面白い取り組みをしているランディックスに目を付けたという流れです。
買いの根拠を一言でいうと
「IT化に出遅れている業界でいち早くそこに着手すれば、先行者メリットがありそれが今後の業績や市場からの評価の上昇につながる」
です。